当社の記事が「アサイゲルマニウムの胆汁酸分泌促進作用」というタイトルで、『FOOD STYLE 21』Vol.22 No.8/2018の特集
「代謝から考える抗肥満・抗メタボ」に掲載されました。
一部抜粋し、ご紹介いたします。
<アサイゲルマニウムの胆汁分泌作用>
アサイゲルマニウムを摂取すると、胆汁中に排出される胆汁酸の量が有意に高まる。
これは、肝臓での胆汁酸抱合を行い排出促進する酵素の発現が、アサイゲルマニウムの摂取により上昇するためであると考えられる。
つまり、アサイゲルマニウムを摂取することで肝臓での胆汁酸の抱合化(代謝)が進み、胆汁中に胆汁酸が排出されやすくなることを示唆している。
解説ポイント①:胆汁酸の役割
胆汁酸は、肝臓でコレステロールを原料に生成されます。
胆汁酸は、腸管内に分泌されるとミセル化(乳化)することによって、脂質を血中へ取り込みやすくする働きをします。
つまり、胆汁酸が多く分泌される=脂質が血中に吸収(コレステロールが消費)されやすくなります。
また、胆汁酸は消化管下部(主に小腸)において脂質と一緒に効率よく再吸収され、人の場合では95%が再吸収されると言われています。
<胆汁酸&コレステロール排出促進>
胆汁酸の再吸収やコレステロールの吸収を抑制するような素材と合わせて摂取すると、アサイゲルマニウムの胆汁酸排出促進作用がより有効に働き、排出促進された胆汁酸や脂質を吸着して積極的に糞便中に排出できるものと考えた。
実験では、血中脂質やコレステロールの減少作用を持つ甜菜の根の繊維分であるビート食物繊維を用い、アサイゲルマニウムと同時摂取することで脂質吸収の抑制に強調作用が得られないか検討した。
解説ポイント②:脂質の排出促進 ※下図参照
1. アサイゲルマニウムによって胆汁酸の分泌(コレステロールの消費)を促進
2. ビート食物繊維によってコレステロールの吸収及び胆汁酸の再吸収を抑制
3. ミセル化でコレステロールと一体となった胆汁酸の再吸収を抑えることによって、脂質の肝臓への再吸収を減少
4. ビート食物繊維により、胆汁酸とコレステロールの排出が促進
以上のことを目的とした実験です。
【実験及び結果】
ラットを用い、以下5群で実施し、肝臓の中性脂肪(トリグリセリド)濃度を測定した。
・Control(対照)群:通常の精製飼料餌を給与
・AG群:0.05%のアサイゲルマニウムを含む餌を給与
・DF群:5%のビート食物繊維を含む餌を給与
・AGDF群:0.05%のアサイゲルマニウムと5%のビート食物繊維を含む餌を給与
・HDF群:10%のビート食物繊維を含む餌を給与
AG群(アサイゲルマニウム単独)ではトリグリセリド低下作用が認められず、Control群(対照)との差は認められなかった。
一方、DF群(食物繊維単独)ではトリグリセリド量の低下はみられたが、統計的有意差は無かった。
対して、AGDF群(アサイゲルマニウムとビート食物繊維の共摂取)では有意な低下を示し、Control群に対してトリグリセリド含量が半減していた。その低下の度合いは、食物繊維の摂取量を2倍にしたHDF群とほぼ同じ値であった。
まとめ
食物繊維は食材としては大量に摂取することが難しい素材です。
アサイゲルマニウムを食物繊維と同時に摂取することで相乗的に働き、食物繊維を大量に摂取した時と同程度の内臓脂肪の低下作用を得ることができる可能性があります。
実験の結果は通常の食事を想定した栄養組成での試験に関する脂質の低下作用でしたが、生活習慣病を想定した高脂肪食や高コレステロール食を与えた実験の場合は、さらに効果的でもっと大きな差が出るかもしれません。