一過性で治まる炎症(急性炎症)とは異なり、弱い炎症が長期にわたって続く自覚のない炎症を「慢性炎症」と呼びます。慢性炎症は、がんや生活習慣病等、様々な疾患の要因であると言われています。
炎症に対するアサイゲルマニウムの作用を研究しました。
免疫細胞の一種であるマクロファージ※1は、ATP※2やLPS※3などの物質を感知すると、炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」(IL-1β)を分泌します。
シャーレ中のマクロファージにATPやLPSを加え、そこにさらにアサイゲルマニウムを添加し、マクロファージが分泌するIL-1βの量を調べました。
ATP、LPSで刺激したマクロファージは、IL-1βを多量に分泌します。しかし、アサイゲルマニウムを添加すると、IL-1βの分泌量が少なくなることが分かりました。
慢性炎症が原因とされる代表的な疾患として「関節リウマチ」があります。関節を覆う滑膜が炎症を起こした際、さらに炎症を誘導する物質がつくられ、免疫細胞が軟骨組織や関節を攻撃することで、腫れや痛みが生じます。この状態が長期間にわたり続いてしまうと、靭帯や骨にも影響を及ぼし、痛みを伴いながら変形してしまいます。
ラットの足に炎症を起こす物質を投与し、炎症を誘発させました。このラットにアサイゲルマニウムを1日に100 mg/kg飲ませ、X線解析で関節の状態を観察しました。
炎症を引き起こしたラット(①および②)の足関節において、①では、骨の変形、関節の固着、指の変形が見られます。一方で、アサイゲルマニウムを与えた②では、③の正常時に近い状態が維持されています。